
【日本海沿岸波浪観測点】 ―高い相関を持つ500hPa高度の領域(日本海沿岸)― 太平洋沿岸と異なり負の高相関域が顕著である。高い負の相関の中心は東経130度〜140度(図4.7)、緯度は北日本では北緯50度、西日本では北緯30度である(図4.8)。日本海沿岸で負の高相関が卓越する理由は、冬季では日本の上空(一つの指標として500hPa高度;約5500m)で、気圧の谷が深い年は季節風が卓越して、日本海沿岸で例年より高波の頻度が多く出現することが推測される。 正の高相関域は、負の高相関域ほど顕著な特徴はない。、緯度については、夏季で北緯5度〜20度の低緯度で、秋季と冬季では北緯60度〜80度の高緯度の区域において相関が高く(図4.9)、経度については、年間を通じて東経150度〜200度と東経30度〜60度に多い(図4.10)。 表4.2に日本海沿岸波浪と500hPa高度偏差との負の高相関位置を示す。これによると、高相関域は夏季は冬季より高緯度に位置し、偏西風強風軸の季節変動と一致することがわかる。 偏西風の強風軸の波動は、上層の気圧の尾根と谷に相当するから、負の高い相関関係は、上層の気圧の谷が深まる時に地上の気象擾乱は発達して、これによって高波が多く出現するものと推定される。 表4.2 日本海沿岸波浪と500hPa高度偏差との負の高相関域 
前ページ 目次へ 次ページ
|

|